【5分でわかる】話題の「アーユルヴェーダ」って何?初心者にも優しく解説

アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダとは、約5,000年の歴史を持つインド発祥の伝統医学。その名はサンスクリット語で「生命(アーユス)」と「知識(ヴェーダ)」を意味し、「生命の科学」とも訳されています。

アーユルヴェーダは、紀元前1,000年頃、アーリア人がインド亜大陸に進出し、先住のドラビダ人と融合する中で発展しました。​その起源は、古代インドの聖典「アタルヴァ・ヴェーダ」に含まれる呪術や祈祷句にまで遡ります。 ​当初は呪術的・経験的な要素が強かったものの、次第に体系化され、現在のアーユルヴェーダの基盤が築かれました。​

​アーユルヴェーダは、単なる治療法にとどまらず、健康的で幸福なライフスタイルを送るための「総合的な知恵」と「実践的な方法」が凝縮された考え方なので、多忙でストレスの多い日本人は特に知るべきです。​

アーユルヴェーダの基本的な考え方

アーユルヴェーダでは、宇宙と人間は五大元素(空、風、火、水、地)から構成されていると考えられます。​
これらの元素が組み合わさって、以下の3つのドーシャ(体質)が形成されます。​

3つのドーシャ(体質)
ヴァータ(空+風):​運動や神経系の働きを司り、軽快で活動的な性質​
ピッタ(火+水):​消化や代謝を担当し、情熱的で知的な性質
カパ(水+地:​構造や安定性を提供し、穏やかで安定した性質

これらのドーシャのバランスが個々の健康状態を決定し、不均衡が生じると疾病の原因となるとされています。​

アーユルヴェーダの診断方法

アーユルヴェーダの診断は、問診、視診、触診を通じて行われます。
​特に脈診や尿検査、舌診などが重視され、ドーシャの状態やバランスを評価します。​

治療法は大きく二つに分かれます。​
1つは、蓄積された病因要素を排出・浄化する「減弱療法(排出療法)」で、パンチャカルマと呼ばれる浄化療法が代表的です。​もう一つは、ドーシャのバランスを食事や薬、生活習慣の改善によって整える「緩和療法(鎮静療法)」です。​

日常生活へ落とし込む「ディナチャリア」

アーユルヴェーダでは、健康維持のための理想的な1日の過ごし方を「ディナチャリア」と呼びます。​
これは、早朝の起床、舌磨き、白湯の摂取、適度な運動、入浴、オイルマッサージ、バランスの取れた食事、そして早めの就寝など、日々の生活習慣を通じてドーシャのバランスを保つことを目指します。 ​

世界に広がるアーユルヴェーダ

近年、アーユルヴェーダはその包括的な健康観と予防医学的アプローチから、欧米や日本でも注目を集めています。
​例えば、季節や個人の体質に合わせた食事法や生活習慣の提案、ハーブを用いた自然療法などが実践され、心身の健康維持に役立てられています。 ​また、ヨーガとの組み合わせにより、心身の調和を追求する実践も広がっています。 ​

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